スプーンの持ち方を笑う

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The Show Must Go On 少女達の再生産の物語「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」

ネタバレ、この記事にはあんまないかと思いますが、

これから視ようと思ってるかたは一応自己責任ということで。

 

お持ちなさい あなたの望んだその星を

『スタァ』――それは舞台の中心、「ポジション・ゼロ」に煌めく光。
心を震わせる歌声で、躰が動きだす踊りで、
魂を揺さぶる演技で観る者を魅了する、舞台に咲き誇る花。

(公式より引用)

 

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ここまで、心の底から美しく、愛おしいと思える作品に出会えたのはどれぐらいぶりだろうか。

筆者は、ライブを観にいくのが好きで、近年は舞台を観ることの楽しさも知った。

アニメが好きで、映画が好きで、小説が好きで、ゲームが好きで、物語が好きだ。

 

そんな、いきものとしてのライブや舞台。煌きを紡ぐものとしての物語。

それらを五感を使って楽しむことの喜び、嬉しさ、感動を、改めて教えてくれるような作品。

それが、筆者にとっての「少女☆歌劇 レヴュースタァライト

 

 

この作品は「アタシ再生産」という言葉が表す通り、9人の舞台少女たちが持つ、自分の覚悟、想い、約束を思い出し、そして、再生産していく物語。

その少女達が放つ苦悩、葛藤、煌きがどうにも心をささくれ立たせ、魅了し、感動を産む。ぼっろぼろ泣きながら観てしまいました。

 

以前何かで舞台に剣が刺さっているキービジュとタイトルを観たとき「なんかイクニ作品っぽい!めっちゃ気になる!」と思っていたのだけど、情報が公開されていくにつれ「ブシロード」という文字とキャラデザなどを見て「あぁ、よくある量産型萌えアニメね…。」と思ってしまい完全にスルーしてました。

ところが信頼している友人たちから、いやいや面白いぞ。絶対好きになるはずだ。と言われ、観たらこれがまぁ…ごらんの有様です。

 

最初一話を観たときの印象としては「幾原監督作品へのリスペクトが強い作品。」でした。

寺山修司へ強い影響を受け、舞台の演出をそのままアニメへ取り入れ、抜群のケレン味塗れのイクニ作品。

少女革命ウテナ」「輪るピングドラム」「ユリ熊嵐」…もちろん筆者も大好きです。

これらからケレン味や毒を抜き、王道要素をいれた作品なんだな。なんて思って観てました。

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少女革命ウテナ

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輪るピングドラム

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ユリ熊嵐

 

でも、違った。

まったく別のものでした。確かに「アタシ再生産」のシーンや謎のキリン(CV:津田健次郎 意味不明ですか?わかります。)などなど、多分に影響を受けてるのはきっとあるはず。

でも、そうじゃなく、ただの芸術作品でも、美少女ものでもなく「レヴュースタァライト」として成り立っている。

 

それがなんでかは正直わかんないっすね。

なんでかわからないけど、視ていると何故か涙があふれてくる。

後半はもう何度視てもぼろぼろぼろぼろ泣いてしまう。

 

きっとそれは苦悩や葛藤を覚悟を持って乗り越え、再生産していく少女達の煌きがあまりにも眩しいから。

自分がステージの上や作品の中に持つ憧憬を表現として提示されたから。

多分、そうなんだろうと思います。

 

本当に、本当に美しい作品なのです。

語弊を恐れずに言うと、これは少女達だからこそ成り立った作品なのだなと思う。

 

これが少年たちだと、きっと力強さ、泥臭さが先立ち、別の感動を産む作品になっていた。

少女たちだからこそ、儚さと美しさが際立ったんだろうなと。

 

さて前置きが長くなりましたが、この作品を語るからには登場するメインの舞台少女9人に触れなければ始まらない。

が、長くなりましたので、時間をみつけまた記事にしようと思います。

もう全員大好きです。(個人的にはひかりちゃんとばなながとりわけ好き。エモい。)

 

ここまで記事を読んでくれた方へと、伝えたいのは、いきものとしてのライブや舞台、そして物語が好きな人。そんな人には何かしら心に刺さるものが必ずある作品です。

 

 

最後に、余談ですが言わば舞台の主役。トップスタァを目指し、求め、奪い合うバトルロイヤル物の側面もある作品なのですが、基本的に日常では全員和気藹々と過ごしている。

普通の作品ならギスギスしてしかるべし、なのですが…。

 

下記は完全に妄想になりますのでご了承ください。

 

一話の華恋が言っていた通り「仲間でライバル」だからこそ、あの空気ができているのかな、と。

勿論、トップを、主役を目指すのでそこは譲れない。

でも、ポジションキャラクターも、端役も、アンサンブルも、全てが良くなければ良い舞台にならない。

舞台少女たちはそれを知ってるからこそ仲間たちを尊重し、切磋琢磨しあう仲として、舞台…「レヴュー」の上で感情をぶつけあうのかな~と、ぼんやり思いました。

 

(実際のとこギスギスしてちゃ作品コンセプトとしてもまずいとかそんな感じな気もしますが。笑)

 

後日キャラクターの記事へと続きます。

この作品は、星に手が、届きます。